忘れられなくなった金峰山(ワンコと山歩き)
2015/10/26 Mon. 23:59 [edit] - category:大菩薩嶺・金峰山
2週間前は、気持ちの覚悟がしきれなくて諦めた金峰山。
行きたいと思いながら時を過ごす間に水に溶けてた覚悟が結石したのか、今回はなんだかすんなりと出発にこぎつけた。なんでもそうだけど、妙に障害がなく楽に進める時ってある。時にそれが不安になったりもするけど、無理に不安を引き寄せる愚動(造語)はやめて、楽しむことだけ考えよう!
やりたいことは できるときに やる
ぱちっと4時に目が覚め、4:50出発。外はまだ暗く、東の空に細三日月と金星、それから木星か土星かの3つのきらめきが綺麗。ヘッドライトをつけて出発。道路は空いてて空いてて、なんと調布インターまで15分ほどで到着してしまう。普段は25分はかかるのにびっくり。いつもは石川PAでトイレ休憩をとるのだけど、あまりに快調に走るので談合坂まで一気に行くことにする。
5:40 談合坂SA ドッグラン。

夜が明けて来ました。
ここで化粧して(すっぴんで出てきたからね)、ちょっと食べたりして30分使い、本線に戻ったらすっかり夜は明けていて、ヘッドライトをつけている車はなくなってた。地球の自転は早いなぁ。
実は家でナビ設定ができなかった。大弛峠と入れても出てこないし、勝沼ICからの道もイマイチ鳥瞰把握できなくて、「ま、現地で入力すれば一直線で案内してくれるっしょ」というお気楽モードでまずは出てきたのだけど、ここ談合坂でも見つけられない。仕方ないので、ガイド本を頼りに、途中の恵林寺(武田信玄ゆかりの観光地)を第一目標点にするものの、この「恵林寺」が検索できない。こんなことで刻々と時間が過ぎて行く(焦)。このお寺、 「けいりんじ」じゃなくて「えりんじ」だったんだよね。歴史の勉強を真面目にしておくんだったと後悔。
そんなこんなしつつ、とにかくなんとか恵林寺近くのコンビニに辿りつき、ここで再度、目的地の大弛峠を探す。ここでやっと出てきて案内スタートさせたら、所要時間4時間って出てくる。ナンデスト? 見てみると、また高速に戻って峠の反対側からアプローチするルートをナビは主張している。仕方ないから途中の経由地点を何度も追加して、それでも戻ることを言い張るので、時間も惜しいし、めんどくさいから買いものもそこそこに出発してしまった。
8:00 勝沼ICから林道をあがってきたところ

道中は紅葉がちらほらきれい
唐松の黄色一色もいいね

やっぱり頑張って来てみてよかった
目的地が見えてきました

高いなぁ~ 稜線長いなぁ~ 歩けるかなぁ~
8:40 駐車場到着

昨日の木枯らし1号のお陰で空気は澄み渡り、最高の青空が広がっている
何度も写真でみた看板だ~(感激)

舗装駐車場は満車でじゃり駐車場へ停める

9:15 登山開始!

今回はお湯ではなく、水を持って行って山頂で沸かすことにする。距離が長いし、15時過ぎには戻りたいからちゃちゃっと用意して出発
9:45 朝日峠 順調順調!

林間に富士山が見えてきた! こんな高いところから見る富士山は初めて

順調に歩いていたら、道が大きな岩になり、前も右も左も岩になる。左はロープで塞がれている。前はちょっと歩けそうにない。ということは右手のこの岩の壁を登るのだろうか?!

(これは帰りに撮った写真)
10:30 岩を登ったところで休憩。

南アルプスが見える! 感激極まる

生(なま)北岳、初めて見た。側で休憩していた山岳ガイドさんが、あれは濃鳥岳、あれは間ノ岳、そして北岳・・・とメンバーに説明しているのを聞きながら。
ここから先はこんな感じ(これも帰りに撮影)

岩場で足を痛めそうなので、ハナに靴(ポウズ (PAWZ) ラバーブーツ )をはかせる。初めて実践で使うけど歩けるかな?
次はどんな景色がでてくるのかな(まだまだ余裕)

10:45 朝日岳を通過し、噂の下り急坂の手前から五条岩が見えた。

写真で見ると遠いけど、実際はもっと近くに見える。
このあたりで、すでに山頂から戻ってくる人たちに会い、ハナも靴のお陰で足が痛くないのか行く気満々なので、迷わず進む。
11:45 鉄山分岐付近だと思うけど、快調だったハナがいきなり停止。

ガス欠でした

出発して2時間半、一気に来ちゃったからね。登山道脇で朝食。
一生懸命歩くのに必死だったけど 見上げれば素晴らしい青空

実感ないけど、2500m越の天空を二人で歩いてるんだよね。すごいかも。
このあと、緩い登りがだらだらと続き、結構堪えてきたところで
12:00 目の前がぽかっと空になった

降りてきた人たちが口々に「素晴らしい景色よ、あとちょっとよ」「360度大展望だから頑張って」って声をかけてくれたけど、ほんとその通りの素晴らしい景色で、どこもかしこも素晴らしすぎて、どこにカメラを向けたらいいのかわからないくらい。
富士山と写真撮るから止まって!

八ヶ岳と瑞峨山

ハナに引っ張られて歩きながら撮ってるからいつもぶれちゃう。
山頂へ向かう道の途中は、でっかい岩がゴロゴロしてて隙間が多い


仕方ない、抱っこだ
ここはハナが一人でジャンプして歩くのはちょっと無理。中型犬以上じゃないと自力歩行はできないね。
ここまで来たらあそこの山頂まで行くよ! がんば!!

ハナを抱いて狭い岩のトンネルをくぐったら

12:25 いきなり山頂! え、ここが山頂なのってびっくりした。テレビで見て想像していたより狭いなぁ。
写真を撮っていただきました


ありがとうございました
くぐってきた岩のトンネル

行く手に見える五丈岩

もうこの穴だらけの大岩の道を抱っこして歩けないからあそこは諦める
さっきの河原へ戻ってお昼休憩にしようと思ったら

ハナがギブアップしちゃったので、山頂岩場の隙間で休憩
景色を楽しみながら1時間くらい山頂でのんびりしたかったのだけど、でも帰りを考えると30分しか休めない。 そしてなぜか、ここでガスに火がつかなくてお湯を沸かせなかった=ちゃんと昼食を食べられなかった。
本当にいい天気

累々と続く山々の先にぽっかり浮かぶ富士山

13:05 さて、名残惜しいけど帰りましょう

約束通りここから抱っこ(体重8Kg)
朝日岳への登り返しの急坂は歩いてほしいから、そこまでは母さん頑張るよ! しかし、背中にリュックをしょい、前に8Kgのハナを抱いて歩くのは、下りでもものすごくしんどい。もう山歩きを楽しむ余裕はなく、怪我をしないように、夕暮れに追いつかれないように、黙々と、ただ黙々と 足元だけ見て歩き続ける。
14:30 朝日岳手前の急坂登り

ハナがとても歩ける状態ではなかったので、そのまま抱いて上がった。ジグザグのターン点で毎回休まないと登れない。富士山の「がんばれ~」の声が励み
前を歩いていた山岳ガイドの方が、「(ハナを)抱っこしてあげようか」と冗談まじりに言ってくれたけど、この時たぶん傍目から見ると、私はかなり消耗していたのだと思う。
14:40 朝日岳

本当はリュックを降ろして休みたいけど、時間を考えると立ち止まって休む余裕がない
朝日岳からの下りの岩場

奥千丈岳がきれい。山肌に走る道が大弛峠へつながる林道かな。げー まだあんなに遠いのか・・・げっそり
ここは抱いて降りたのか、ハナに歩いてもらったのか、記憶がとんでいる

15:00 木々が「がんばれ~」って言ってる

光る苔が「がんばれー」って言ってる
しんどい しんどい しんどい
なんでわざわざ こんなしんどい 山歩きなんか しに来ちゃったんだろう
せっかくリュックや 山道具も買ったのに もう使わないかもな
とにかく 今は 無事に 駐車場まで帰ることだけ考えよう
いち に いち に いち に ・・・・・・
15:20 歩いて来た道を振り返る

今日は山の中に入れてくれて、ここまで無事に戻らせてくれてありがとうございました。
この後、完全にガス欠となり、ハナを抱っこしてはどうしても歩けなくなって座りこむ。
ハナに「お願いだから歩いてくれるかな」と頼んだら、トコトコと、私の側をずっとついて歩いてくれた。ありがとうハナ。
16:05 やっとやっとやっと駐車場が見えてきた

富士山と山々と歩いてた方々の励まし、ハナの頑張りがなかったら明るいうちに戻れなかった。本当にありがとうございました。
ところが
「無事戻れてよかった、あとは帰るだけ」 となったところで、今日一番のアクシデント発生!!
手持ちの緊急グッズでなんとかやってみるもののどうにもならず、途方にくれかけていたところで ガソリン車のご夫婦と、ハイブリッド車の単身男性の方に助けてもらいました。
あの時はテンぱっていてお礼を言うことしかできず、すみませんでした。
本当に 本当に 本当に 本当に助かりました。
もしまたどこかでお会いする機会がありましたら、是非何かご馳走させ下さい。
帰りは 「真っ暗な中 街灯のない 側溝がありそうな 知らない林道を下る」 ことを考えると、なんとしても明るいうちに林道を抜けたくて写真を撮るどころではなかった。最後のアクシデントで気持ちの体力も限界を越え、体中の細胞のエネルギーを使い果たして枯れ果てた状態で、運転以外に使う気力体力が全くなく、とにかく恵林寺近くのコンビニまで降りることだけ考え、途中途中で見える夕日に輝く南アルプスの姿は脳裏に焼き付けるだけにして、必死で運転。
コンビニに車をとめたら放心状態で、しばし意識がとぶ。でも周りはどんどん気温が下がってくるし、とにかく着替えて胃に何か入れないと帰れないから、コンビニへ買い物に入る。とはいえ、疲れすぎて食べたいものがない。
ふと見ると、レジの前にゆらゆら湯気の上がるお鍋があるではないか!
目の前ぱっと開ける。 おでんの大根なら食べられる!!
このおでんの大根で生き返った。体中の細胞に滋養が浸みわたっていく。「食事」ってありがたい。
なんとか気力・体力つながったので車を出し、仮眠する談合坂を目指す。寝袋、敷きマット、U字型枕、アイマスクとお休みグッズは準備万端にしてきたので、かつてなく快適で3時間も寝てしまい、起きたら23時すぎだった(><) でもSAはトイレもあるし、必要なものは買えるし、明るいし、出入りはあるし、人目もあるから、道の駅などよりずっと快適で安心。深夜の高速はガラガラで、時速80Kmでゆっくり運転し、帰宅したのは日付が変わってからでした。
大弛峠からの金峰山往復は、人間単身だったら何の問題もない、とても快適な山歩きコースだと思う。でも途中からワンコを抱っこするには、標高差以上に距離が長すぎる。人間が二人以上いれば、荷物を手分けすることができるから問題ないけど、一人で全部やるには、ちょっと限界オーバー。帰路にこれだけ往路と同じ登りがあるというのはしんどい。
そして今回一番失敗したのは、食料準備。途中で買えばいいやと思っていても、店に欲しいものがなかったり、時間がなかったりして、ちゃんと用意できず、出発を焦っていい加減で流してしまったことが、途中からのエネルギー切れを招いた。やっぱりお湯は水筒で持って行って、食べるものはパンの方がよいなと心底痛感した。
でも、 やりたいと思ってたこと 実現できて 大満足。
限界を越えてしまった ゆえ 限界がどこかもわかった。
楽ちん快適じゃなかった分 忘れられない山になった。
途中、もう山歩きなんかうんざりって思ったけど、また同じくらいの目線で南アルプスをゆっくり見てみたい。大弛峠から朝日岳までの往復だったら十分余裕をもって楽しめるから、来年またトライしたいなと、性懲りもなく思ってる自分に我ながらびっくりするわ。
@限界は自分で冷静に決めるべし
>>猫のシッティングはペットシッターアンディーローレルにご相談ください(西東京、練馬、武蔵野、新座)
行きたいと思いながら時を過ごす間に水に溶けてた覚悟が結石したのか、今回はなんだかすんなりと出発にこぎつけた。なんでもそうだけど、妙に障害がなく楽に進める時ってある。時にそれが不安になったりもするけど、無理に不安を引き寄せる愚動(造語)はやめて、楽しむことだけ考えよう!
やりたいことは できるときに やる
ぱちっと4時に目が覚め、4:50出発。外はまだ暗く、東の空に細三日月と金星、それから木星か土星かの3つのきらめきが綺麗。ヘッドライトをつけて出発。道路は空いてて空いてて、なんと調布インターまで15分ほどで到着してしまう。普段は25分はかかるのにびっくり。いつもは石川PAでトイレ休憩をとるのだけど、あまりに快調に走るので談合坂まで一気に行くことにする。
5:40 談合坂SA ドッグラン。

夜が明けて来ました。
ここで化粧して(すっぴんで出てきたからね)、ちょっと食べたりして30分使い、本線に戻ったらすっかり夜は明けていて、ヘッドライトをつけている車はなくなってた。地球の自転は早いなぁ。
実は家でナビ設定ができなかった。大弛峠と入れても出てこないし、勝沼ICからの道もイマイチ鳥瞰把握できなくて、「ま、現地で入力すれば一直線で案内してくれるっしょ」というお気楽モードでまずは出てきたのだけど、ここ談合坂でも見つけられない。仕方ないので、ガイド本を頼りに、途中の恵林寺(武田信玄ゆかりの観光地)を第一目標点にするものの、この「恵林寺」が検索できない。こんなことで刻々と時間が過ぎて行く(焦)。このお寺、 「けいりんじ」じゃなくて「えりんじ」だったんだよね。歴史の勉強を真面目にしておくんだったと後悔。
そんなこんなしつつ、とにかくなんとか恵林寺近くのコンビニに辿りつき、ここで再度、目的地の大弛峠を探す。ここでやっと出てきて案内スタートさせたら、所要時間4時間って出てくる。ナンデスト? 見てみると、また高速に戻って峠の反対側からアプローチするルートをナビは主張している。仕方ないから途中の経由地点を何度も追加して、それでも戻ることを言い張るので、時間も惜しいし、めんどくさいから買いものもそこそこに出発してしまった。
8:00 勝沼ICから林道をあがってきたところ

道中は紅葉がちらほらきれい
唐松の黄色一色もいいね

やっぱり頑張って来てみてよかった
目的地が見えてきました

高いなぁ~ 稜線長いなぁ~ 歩けるかなぁ~
8:40 駐車場到着

昨日の木枯らし1号のお陰で空気は澄み渡り、最高の青空が広がっている
何度も写真でみた看板だ~(感激)

舗装駐車場は満車でじゃり駐車場へ停める

9:15 登山開始!

今回はお湯ではなく、水を持って行って山頂で沸かすことにする。距離が長いし、15時過ぎには戻りたいからちゃちゃっと用意して出発
9:45 朝日峠 順調順調!

林間に富士山が見えてきた! こんな高いところから見る富士山は初めて

順調に歩いていたら、道が大きな岩になり、前も右も左も岩になる。左はロープで塞がれている。前はちょっと歩けそうにない。ということは右手のこの岩の壁を登るのだろうか?!

(これは帰りに撮った写真)
10:30 岩を登ったところで休憩。

南アルプスが見える! 感激極まる

生(なま)北岳、初めて見た。側で休憩していた山岳ガイドさんが、あれは濃鳥岳、あれは間ノ岳、そして北岳・・・とメンバーに説明しているのを聞きながら。
ここから先はこんな感じ(これも帰りに撮影)

岩場で足を痛めそうなので、ハナに靴(ポウズ (PAWZ) ラバーブーツ )をはかせる。初めて実践で使うけど歩けるかな?
次はどんな景色がでてくるのかな(まだまだ余裕)

10:45 朝日岳を通過し、噂の下り急坂の手前から五条岩が見えた。

写真で見ると遠いけど、実際はもっと近くに見える。
このあたりで、すでに山頂から戻ってくる人たちに会い、ハナも靴のお陰で足が痛くないのか行く気満々なので、迷わず進む。
11:45 鉄山分岐付近だと思うけど、快調だったハナがいきなり停止。

ガス欠でした

出発して2時間半、一気に来ちゃったからね。登山道脇で朝食。
一生懸命歩くのに必死だったけど 見上げれば素晴らしい青空

実感ないけど、2500m越の天空を二人で歩いてるんだよね。すごいかも。
このあと、緩い登りがだらだらと続き、結構堪えてきたところで
12:00 目の前がぽかっと空になった

降りてきた人たちが口々に「素晴らしい景色よ、あとちょっとよ」「360度大展望だから頑張って」って声をかけてくれたけど、ほんとその通りの素晴らしい景色で、どこもかしこも素晴らしすぎて、どこにカメラを向けたらいいのかわからないくらい。
富士山と写真撮るから止まって!

八ヶ岳と瑞峨山

ハナに引っ張られて歩きながら撮ってるからいつもぶれちゃう。
山頂へ向かう道の途中は、でっかい岩がゴロゴロしてて隙間が多い


仕方ない、抱っこだ
ここはハナが一人でジャンプして歩くのはちょっと無理。中型犬以上じゃないと自力歩行はできないね。
ここまで来たらあそこの山頂まで行くよ! がんば!!

ハナを抱いて狭い岩のトンネルをくぐったら

12:25 いきなり山頂! え、ここが山頂なのってびっくりした。テレビで見て想像していたより狭いなぁ。
写真を撮っていただきました


ありがとうございました
くぐってきた岩のトンネル

行く手に見える五丈岩

もうこの穴だらけの大岩の道を抱っこして歩けないからあそこは諦める
さっきの河原へ戻ってお昼休憩にしようと思ったら

ハナがギブアップしちゃったので、山頂岩場の隙間で休憩
景色を楽しみながら1時間くらい山頂でのんびりしたかったのだけど、でも帰りを考えると30分しか休めない。 そしてなぜか、ここでガスに火がつかなくてお湯を沸かせなかった=ちゃんと昼食を食べられなかった。
本当にいい天気

累々と続く山々の先にぽっかり浮かぶ富士山

13:05 さて、名残惜しいけど帰りましょう

約束通りここから抱っこ(体重8Kg)
朝日岳への登り返しの急坂は歩いてほしいから、そこまでは母さん頑張るよ! しかし、背中にリュックをしょい、前に8Kgのハナを抱いて歩くのは、下りでもものすごくしんどい。もう山歩きを楽しむ余裕はなく、怪我をしないように、夕暮れに追いつかれないように、黙々と、ただ黙々と 足元だけ見て歩き続ける。
14:30 朝日岳手前の急坂登り

ハナがとても歩ける状態ではなかったので、そのまま抱いて上がった。ジグザグのターン点で毎回休まないと登れない。富士山の「がんばれ~」の声が励み
前を歩いていた山岳ガイドの方が、「(ハナを)抱っこしてあげようか」と冗談まじりに言ってくれたけど、この時たぶん傍目から見ると、私はかなり消耗していたのだと思う。
14:40 朝日岳

本当はリュックを降ろして休みたいけど、時間を考えると立ち止まって休む余裕がない
朝日岳からの下りの岩場

奥千丈岳がきれい。山肌に走る道が大弛峠へつながる林道かな。げー まだあんなに遠いのか・・・げっそり
ここは抱いて降りたのか、ハナに歩いてもらったのか、記憶がとんでいる

15:00 木々が「がんばれ~」って言ってる

光る苔が「がんばれー」って言ってる
しんどい しんどい しんどい
なんでわざわざ こんなしんどい 山歩きなんか しに来ちゃったんだろう
せっかくリュックや 山道具も買ったのに もう使わないかもな
とにかく 今は 無事に 駐車場まで帰ることだけ考えよう
いち に いち に いち に ・・・・・・
15:20 歩いて来た道を振り返る

今日は山の中に入れてくれて、ここまで無事に戻らせてくれてありがとうございました。
この後、完全にガス欠となり、ハナを抱っこしてはどうしても歩けなくなって座りこむ。
ハナに「お願いだから歩いてくれるかな」と頼んだら、トコトコと、私の側をずっとついて歩いてくれた。ありがとうハナ。
16:05 やっとやっとやっと駐車場が見えてきた

富士山と山々と歩いてた方々の励まし、ハナの頑張りがなかったら明るいうちに戻れなかった。本当にありがとうございました。
ところが
「無事戻れてよかった、あとは帰るだけ」 となったところで、今日一番のアクシデント発生!!

手持ちの緊急グッズでなんとかやってみるもののどうにもならず、途方にくれかけていたところで ガソリン車のご夫婦と、ハイブリッド車の単身男性の方に助けてもらいました。
あの時はテンぱっていてお礼を言うことしかできず、すみませんでした。
本当に 本当に 本当に 本当に助かりました。
もしまたどこかでお会いする機会がありましたら、是非何かご馳走させ下さい。
帰りは 「真っ暗な中 街灯のない 側溝がありそうな 知らない林道を下る」 ことを考えると、なんとしても明るいうちに林道を抜けたくて写真を撮るどころではなかった。最後のアクシデントで気持ちの体力も限界を越え、体中の細胞のエネルギーを使い果たして枯れ果てた状態で、運転以外に使う気力体力が全くなく、とにかく恵林寺近くのコンビニまで降りることだけ考え、途中途中で見える夕日に輝く南アルプスの姿は脳裏に焼き付けるだけにして、必死で運転。
コンビニに車をとめたら放心状態で、しばし意識がとぶ。でも周りはどんどん気温が下がってくるし、とにかく着替えて胃に何か入れないと帰れないから、コンビニへ買い物に入る。とはいえ、疲れすぎて食べたいものがない。
ふと見ると、レジの前にゆらゆら湯気の上がるお鍋があるではないか!
目の前ぱっと開ける。 おでんの大根なら食べられる!!
このおでんの大根で生き返った。体中の細胞に滋養が浸みわたっていく。「食事」ってありがたい。
なんとか気力・体力つながったので車を出し、仮眠する談合坂を目指す。寝袋、敷きマット、U字型枕、アイマスクとお休みグッズは準備万端にしてきたので、かつてなく快適で3時間も寝てしまい、起きたら23時すぎだった(><) でもSAはトイレもあるし、必要なものは買えるし、明るいし、出入りはあるし、人目もあるから、道の駅などよりずっと快適で安心。深夜の高速はガラガラで、時速80Kmでゆっくり運転し、帰宅したのは日付が変わってからでした。
大弛峠からの金峰山往復は、人間単身だったら何の問題もない、とても快適な山歩きコースだと思う。でも途中からワンコを抱っこするには、標高差以上に距離が長すぎる。人間が二人以上いれば、荷物を手分けすることができるから問題ないけど、一人で全部やるには、ちょっと限界オーバー。帰路にこれだけ往路と同じ登りがあるというのはしんどい。
そして今回一番失敗したのは、食料準備。途中で買えばいいやと思っていても、店に欲しいものがなかったり、時間がなかったりして、ちゃんと用意できず、出発を焦っていい加減で流してしまったことが、途中からのエネルギー切れを招いた。やっぱりお湯は水筒で持って行って、食べるものはパンの方がよいなと心底痛感した。
でも、 やりたいと思ってたこと 実現できて 大満足。
限界を越えてしまった ゆえ 限界がどこかもわかった。
楽ちん快適じゃなかった分 忘れられない山になった。
途中、もう山歩きなんかうんざりって思ったけど、また同じくらいの目線で南アルプスをゆっくり見てみたい。大弛峠から朝日岳までの往復だったら十分余裕をもって楽しめるから、来年またトライしたいなと、性懲りもなく思ってる自分に我ながらびっくりするわ。
@限界は自分で冷静に決めるべし
>>猫のシッティングはペットシッターアンディーローレルにご相談ください(西東京、練馬、武蔵野、新座)
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